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ノルディック複合ワールドカップ結果報告12月11日(阿部雅司コーチからのリポート)

 

 

ノルディック複合の全日本チームのコーチ

また、応援アスリートでもある阿部雅司さんより

遠くヨーロッパの現地からリポートが届きましたので

みなさまにそのままお届けいたします。

 

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ノルディック複合ワールドカップ結果報告

12月11日

11月30日フィンランドのクーサモで2014年ソチオリンピックへのシーズンが開幕しました。

今シーズン好調のノルディック複合チームでしたが、開幕戦の前半ジャンプではみんな力んでしまったり風の運が悪かったり良い結果ではありませんでした。

しかし今シーズンの日本チームは今までとは少し違いました。

日本チームのエース渡部暁斗は前半28位と大幅に出遅れましたが、後半のクロスカントリーで積極的に飛ばし21人抜きの7位まで順位を上げました。

そして今シーズンから「パワーアスリート」を使用しているジャンプが得意な加藤大平も、前半43位と不本意なジャンプでしたが、後半自己最高の走りをして25人抜きの18位まで大幅に順位を上げる事が出来ました。

そして次の日に行われたワールドカップ団体戦では優勝を逃しましたが、ノルウェー、ドイツに続き3位に入りワールドカップとしては1997年の長野大会以来の表彰台でした。

その後ノルウェーのリレハメルで行われたワールドカップでは渡部暁斗選手が優勝を逃しましたが2位、3位と2日連続表彰台に上がりました。

 

今シーズン好調のカギとなっているのは選手の努力もありますが、日本チームのワックスとクロカンスキーの選択がバッチリ噛み合っています。

現在、世界のトップクラスの選手は力の差がほとんど無いので、今回の様にワックスの当たり外れが結果に大きく作用されます。

ワールドカップに出場する選手達は一人15台ぐらいのクロカンスキーを持ち歩いていて、その中からその会場の雪質に合った1台を選んで試合に出ています。

その1台を選ぶために日本チームには3人のワックスマンが帯同しています。

3人のワックスマンが約40台のテスト用スキーで、最初にその会場で一番滑る滑走面の種類(ストラクチャー)を選び、次にベースワックス(下地ワックス)を選び、最後に塗るトップワックスを決めて行くと言う作業を毎回行われるワールドカップ会場で行っています。

他国では5人、6人のワックスマンでやっている国もあり、このクロカンスキーやワックスを決める力の差がメダルの色に大きく影響すると思います。

選手達の実力はもちろんですが、その国の組織力(チームワーク)も結果に左右されるので、ソチオリンピックでは他の国とのスキーの滑りの差なども注目して見てもらえるともっと試合が面白くなると思います。

 

Kuusamo-1

(フィンランド クーサモでの団体戦 3位入賞 : 阿部雅司さん撮影)

 

 

 

ノルディック複合チームはソチオリンピックのメダル獲得へ向けて順調にスタートしましたので今後も期待していてください!

 

 

 

 

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