美味しい天然マグロから絞った貴重な油 (3)
マグロは高性能エンジンを積んだラジエーター付き特殊マシーン
マグロは、体の中に奇網(きもう)という仕組みがあり、静脈と動脈が対になっています。
エラから入った酸素を多く含んだ新鮮な冷たい血液は、心臓から送り出され、動脈を通りながら、
体温で上がった隣り合った静脈内の血液温度を下げます。
高速で泳ぐと、大量のエネルギーが消費され、同時に体温も上昇しますが、
この奇網という仕組みで体温の上昇を抑えています。
そしてマグロは、外部温度より±5℃~10℃以上の幅広い体温を保てるといわれています。
従って5℃~30℃以上の幅広い温度帯(寒帯~熱帯まで)での活動が可能になり、
長距離を泳いでも体温が上がりません。エネルギーの原動力の血流を、
ラジエーターである動脈で冷やす機構になっているのです。
このラジエーターが動いてないと、高速エンジンのF1カーで街乗りをしているようなものです。
そのためマグロはスピードがなくなってしまうと、体がオーバーヒートしてしまうのです。
だから、そういう機能はとても大事なのです。
そのため、マグロは漁獲されたときに「ヤケ」というものが起こります。
これは釣り上げたときに、陸上とか船の上で暴れ、
死ぬ前に体温が急激に上がって、肉が火傷することです。
奇網という機能が働かなくなってしまうので、
自分の体で火傷するぐらいの熱量が出てしまうわけです。